石崎 麗 陶芸家


Ishizaki Urara

伝統・そして・それから

石崎 麗 略歴

1976年、千葉県生まれ
日本の大学でインダストリアル・デザインを学んだ後、
イギリスの大学にてガラスと陶芸を1年間学ぶ。
帰国後益子に移り住み、製陶所ゆみ陶にて3年間就業、
栃木県窯業技術支援センターにて益子焼を学び、
矢津田義則氏に師事し、2005年独立。
益子の陶芸アトリエに併設した陶器・紅茶・雑貨
のお店カフェギャラリーteteを立ち上げる。

オフイシャルサイト http://tete.otonotakumi.co.jp/

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独立まで

学生時代はインダストリアルデザインを専攻。しかし進むにつれ、商業的な「生産・コスト」などの効率を重視するデザイン、全体の一部でしかないデザインに違和感を感じ始めます。

デザインからつくり上げるまで、全て自分の手でできたら。

その後イギリスに渡り、大学でガラスと陶芸を学びました。
スピードが必要とされるガラスに対し、時間をかけ、 自分のペースでつくる事ができる、そして自分自身が日本人であることを再認識し、 日本の伝統のある陶芸を日本で目指すことに。

帰国後、益子に移り住み、製陶所に入所。
ここで大勢のスタッフと共に制作、窯焚き、出荷まで全ての工程をこなしながら修行を続けました。

もう少し自分自身の技術を磨きたい、憧れのティーポットや 急須を作れるようになりたい。
= ティーポットや急須は、胴・蓋・注ぎ口・取っ手の組み合わせ、各部の成形、接合など技術を要します =

そしてしっかりとした技術と知識を学ぶ為に、 栃木県窯業技術支援センターに入学。
伝統的な益子焼きを学びながら、独自のカリキュラムを組み、陶芸に励みました。

センターに入るまでは益子以外の原料で制作してきた為、益子の伝統的な土や釉薬で茶器や釉薬を制作してみると、 とても新鮮で改めて魅力を感じました。

作陶

伝統的なものに惹かれます。

旅が好きで日本は勿論、たくさんの国を訪れてきました。
それぞれの国の土地に根付いている伝統や文化、食や技術、工芸品から建築、絵画など、いろいろなものに刺激を受け、そして敬意を感じます。

制作にあたっては、益子の土と伝統釉を使いながら、 伝統をふまえつつも益子焼という枠にはとらわれず、

古さと新しさ、和でありながら洋であるもの、日常的に使える器。
= そんなものを目指しています。

ティーポット

陶器のティーポットは重いというイメージがありますが、 ポットはお湯をたっぷり入れて使うので、 できるだけ軽くなるように意識しています。

紅茶をおいしくいれるためには、茶葉が充分にジャンピング (茶葉がお湯の対流に乗り、ポットの中で浮かんだり沈んだりすること) が大切です。

【形】
ティーポットの形は丸みを持たせ、ジャンピングのしやすい形。 そしてジャンピングの邪魔をしない様、中に茶こしは付けていません。
茶葉がつまらず、注ぎやすい、注ぎ口の形状、口径。
注ぎ口の先端は水切れが良いようにしています。

【蓋】
蓋は胴に入る部分を深くしている為、 片手で注いでも蓋がずれ落ちません。
また、蓋と胴は歪みが出ないように蓋をした状態で焼成する為、 蓋と胴がくっつかぬよう、少し遊びを持たせています。

【釉】
胴や蓋の内部は茶渋のつきにくい釉薬をかけて、長く使っていただけるよう汚れにくくしています。

お客さまに向けて

器達が手に取ってくださった方々の元で、
しっかり働いてかわいがってもらえればと考えながら、
日々作陶しています。

↑zoom↑静かな工房

↑zoom↑イメージを形に

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胴は白いつや消し釉薬、蓋は焼締です。異なる風合いを、ひとつの器で楽しめます。縦長のめずらしいデザインです。

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こちらは、黒いややつやのある鉄の釉薬です。胴にある丸いパッチワークのような模様がなごみます。